『夜は短し歩けよ乙女』

森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』を読んでみた。

『夜は短し歩けよ乙女』は、以前、アニメーション映画版を視聴したことがある。『四畳半神話大系』と同様に『夜は短し歩けよ乙女』も、原作とアニメ版でメッセージ性が異なり、やはり僕はアニメ版の方が好きだ。

アニメ版では”時間感覚”が1つのテーマになっていたけれど、原作版は純粋に”御縁”がテーマになっている。夜の呑み歩き、古本市での本探し、文化祭での催し巡り、そして冬の風邪ウイルスまで、全ては人と人との繋がりがベースになっている。

一期一会という言葉があるが、その一生に一度の出会いをかけがえのないものにするか、ただのすれ違いで終わるかは、全て自分自身の手にかかっている。最近の若者は「出会いがない」というけれど、はたして本当にそうだろうか。もしかしたら、自分のすぐ近くに、大切にすべき出会いが転がっているかもしれない。