安藤広大の『とにかく仕組み化』を読んでみた。
マネジメントコンサル「識学」のエッセンスが詰まった識学四部作を読んでいて、僕としては、本書が最後となる。
キャッチコピーは「人を責めるな、ルールを責めろ」である。識学式マネジメントを実施する上でのルール設定についてまとめられている。
あるあるなのは、形骸化したルールだ。特に、伝統を重んじる組織や集団には「謎ルール」があり、特に何か意味があるわけではない悪しき伝統が残っている場合がある。こういう謎ルールは、現在の責任者が、自身の責任を持って排除すべきだ。
また、本書では「性弱説」を信奉しており、「人はラクをして生きるものだ」という前提に立ってルールを整備することを推奨している。精神論は諦めて、完全に仕組み化(ルーティン化)することで、行動量を増やしていく。同時に、圧倒的多数にある「できない人」に合わせて仕組みを作ることも推奨されている。
個人的に印象に残っているのが「危機感」だ。正しい危機感は、部下の行動量増加につながるものだが、そのための1つの方法として、上司と部下の接触回数を意識的に減らすことが推奨されている。毎日のように接触してしまうと、緊張感が無くなるためだ。
青山学院大学陸上競技部監督の原晋監督は、箱根駅伝のメンバーに選ばれなかった人に対して、何もサポートしないのだと言う。なぜなら基準が明確だからだ。僕も、これを参考にしようと思う。