安藤広大の『リーダーの仮面』を読んでみた。
マネジメントコンサル会社・識学の創業者による本書は、リーダーは「仮面」を被り、徹底的に数字と向き合い、結果を追求するマネジメントを推奨する。
一見すると「人間らしくない!」と批判されがちなマネジメントスタイルだが、本書が示すマネジメントの根底には「結果を出すこと」がある。近年はワークライフバランスなどと言われているが、生きるために「糧」を得なければならず、その場所は「会社」しか存在しない。現代社会で生きるには、どうしても「結果を出すこと」が求められる。
本書は、リーダーが責任を有していることを前提に、部下に対して明確かつ具体的な指示を出すことを徹底する。また、プロセスに介入せず、目標設定と結果だけを聞く。結果を出す社員であれば、月1の報告でいいが、新入社員などはKPIなどを毎日報告”させる”のがいい。この「させる」が大切で、こちらから連絡するのではなく、部下から連絡させることで、マネジメントコストが削減される。
また、社内の文化形成については「姿勢のルール」が重要とのこと。「姿勢のルール」とは、できる・できないが存在しない誰でもできるルールのことで、具体的には「出社時刻」や「会議に遅れない」などである。この「姿勢のルール」に「報連相」を組み込む。
このようにして、徹底した成果主義を貫くことが、最終的に部下の成長につながるのだ。
当初、僕は本書を仕事のために読んだのだけれど、現在自分がやっている卓球部のコーチ業に応用が効くかどうかを検証した。結論から言えば、100%鵜呑みにするのは難しいが、実践できる部分は実践した方がいいことがわかった。特に「姿勢のルール」や「プロセスに介入しない」は、リソースが枯渇しがちな部活動の現場にマッチしているように思う。