『走ることについて語るときに僕の語ること』

村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んでみた。

村上春樹は、かなりガチなランナーであることが知られている。本書によれば、村上春樹は年に1回はフルマラソンに出場し、100kmマラソンやトライアスロンにチャレンジすることもあるそうだ。

本書を読んでいて、村上春樹にとって「ラン」が非常に大きな効果を及ぼしたことが、よくわかった。同時に、チクセントミハイの『クリエイティヴィティ フロー体験と創造性の心理学』を思い出した。この本で、クリエイティブな人は対照的な性格特性を保有していることが指摘されていた。創造的な人々は、ときに活発になり、ときに物静かとなるらしい。

村上春樹も、この「対照的な性格特性」を持ち合わせている。不健康な「執筆活動」と健康的な「ラン」だ。村上春樹は、この2つの相反する取り組みを実施することで、創造性を確保しているのだと考えられる。

世間一般的なイメージとして、作家はどうしても不健康なイメージがあるらしい。スティーブン・キングも、酒とタバコに激しく依存していたし、世に存在するラノベ作家の大半が引きこもりだと思う。

ただし、村上春樹の考え方で「作家=不健康」は成り立たない。むしろ、脳の活動を活発化させるために、積極的な運動が求められる。フルマラソンとまではいかなくても、習慣的に有酸素運動を継続化させることは、いいことだ。

僕も、村上春樹を参考にして、習慣的に運動したいと思うし、ここ数年はあまり実施してこなかった有酸素運動の習慣化にもチャレンジしたいと思う。