中学2年生の、とある日。僕は2年3組の教室で、母親を待っていた。
その日は三者面談の日だったのだが、あいにく、母親は用事があって、少し遅れるとのことだった。
そこで暇つぶしに、僕は教室に設置されていた本棚から1冊の本を取って、読んでみることにした。その書籍のタイトルは『チーズはどこへ消えた?』だ。今思えば、僕は本書にいち早く出会えたからこそ、現代社会の生き方を学ぶことができたのかもしれない。
世界は、諸行無常である。世界は常に、変わり続ける。僕たち人間も、変わり続ける。変わらないものなど、この世界には一つも存在しない。
変化とは、対抗するものではなく、対応するものである。波は、逆らうよりも、乗りこなした方が気持ちいい。この横乗りの感覚を掴むことができれば、人生はもっと楽しくなるだろう。
また、変化とは恐ろしいものである。変化は、絶対だからだ。
あまりにも目まぐるしいスピードで変化し続ける現代社会では、何が起こるかわからない。しかし唯一、確定している未来がある。それは、変化がより一層激しくなることだ。既に確定していることであり、絶対である。
変化を敵にするということは、神を敵にすることと同義である。だから変化は、味方にしておくに限るのだ。