高城剛の『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだ!?』を読んでみた。
このタイトルの問いの答えを述べてしまうと、日本の経済を良い方向に動かしていくのは間違いなくIRである。
そしてIRを成功させるには、以下のポイントが必要になりそう。ということが本書で書かれていた。
- 利権を産まない外国資本で運営すること
- センス
- カジノは自国民に対して厳しく規制する
まずIRとカジノの違いを述べると、カジノは皆さんご存知のギャンブルの場。一方でIRは、カジノを含んだ統合型リゾートのことである。
本書によると、IRの魅力は「カジノというエンジンを活用することで、これまでになかったプロモーションができる」という点にあるらしい。
実際、カジノを初めとしたギャンブル施設は、多くの客を取り込むことさえできれば確実に設けられるビジネスだ。そしてそこで稼いだお金を、これまでになかった画期的なプロモーションに投資することで、再び多くの客を集める。このサイクルを回すことが、IR成功の鍵となる。
本書では様々な事例が紹介されていた。例えば原価率70%超えの採算度外視のハンバーガーを提供する飲食店や、完全無料の大規模音楽フェス。これらのプロモーションは、カジノであぶく銭があるからこそ実現できるプロモーションである。
そして自国民のギャンブル依存症を阻止するために、日本人に対しては高額な入場料を請求する。これに近い規制は、各国のカジノでも実際に行われている。
極め付けは、外国資本での運営だ。これはIRに限らず、日本の大規模プロジェクトの多くで検討すべき要素だろう。特に地方創生関連は尚更、だ。実際にシンガポールは、完全に外国資本で運営することで、IRを成功させている。ちなみに、シンガポールは歴史も自然も何もない小国だった。
本書が出版されたのは2015年。現在は2023年。そして大阪のIR完成は2030年ごろだと予定されている。……はたして成功するのだろうか。