サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突(下)』を読んでみた。
下巻では、文明の衝突によってもたらされる未来などがまとめられている。以下、僕が気になったことをメモしてみた。
- 儒教文化が重視するのは権威、階級、個人の権利や利害の軽視、合意の重要さ、対決を避けること、面子を保つこと、国家が社会に優先し、社会は個人に優先することで、これらはアメリカ人が重視する信念と対照的である
- 日本の経済は西欧の論理で解説できない。日本の経済は自由市場経済ではないからだ
- 戦争を終結させたり拡大させたりするには、世界の主要文明圏の中核国に頼らざるを得ない。フォルト・ラインの戦争はしたから浮かび上がり、フォルト・ラインの平和は上からおりてくる
- 世界的な戦争が西欧、ロシア、中国、日本によってもたらされるとしたら、戦争に参加しないと考えられるインド、ラテンアメリカが相対的に強くなる。その結果として、世界の中心が南に移る(と考えられる)、
- 文明という観点では、各文明の中核国(日本、ナイジェリアなど)が常任理事国になるべきで、EUの席は1つにまとめた方がいい
個人的に印象に残っているのが「南への移動」だ。もし北が戦争によって疲弊するとしたら、その次に台頭するのがインドになる可能性があるし、実際に住むとしたら、南半球に位置するオーストラリアやニュージーランドの都合が良くなる。
そして本書を読んで全体として、もっと大きく生きようと思った。国際感覚を養うには、実際に外に出るしかない。僕はなんとなく西欧人の感覚を理解していたつもりだったけれど、世界にはイスラム・ヒンドゥー・ラテンアメリカ・東方正教会などの文明があるわけで、彼らがどのような思想なのかを理解しなければ、グローバルで生きていけない。もっと世界を知らないとダメなのだ。