ダン・S・ケネディの『富裕層マーケティング』を読んでみた。
本書は電子書籍化されておらず、たまたまブックオフで目にしたので読んでみることにした。
一般的に考えて、toCビジネスをやろうとおもったら、富裕層へのアプローチは欠かせない。特に日本は、VIPビジネスが弱いと言われており、それは日本人が”和”を重んじて、突き抜けている人を貶める傾向が少しばかり強いことが要因だと考えられる。
富裕層は、一般大衆の人々とは行動原理が異なる。だから、これを理解しなければ、VIPビジネスを成功させることはできない。
さて、富裕層の行動原理を学ぶ上で、このような「富裕層マーケティング」の本を読むのが一番手っ取り早いのだが、意外にも富裕層マーケティングについて書かれている本はほとんどなく、本当にガチで本書を読むしかない。だから、経営者にとって本書は必読の書だと言えるし、この本を読んだら、あとは現場での経験を頼りに、自分なりのノウハウを構築するしかないだろう。
富裕層マーケティングで重要なのは、価格を一旦忘れて、最高の商品やサービスを生み出すことに尽きる。そして可能な限り最高な体験を生み出すための努力を怠らないことだ。
最高のポテトチップスを作るとした、はたしてどれくらいの価格をつけるべきだろうか。一般的な相場で言えば、500円でも少し高いし、1000円になると滅多にない金額になる。しかし、もしポテトチップスを”ポテトチップス”ではなく、”プレミアムな体験”というジャンルに置き換えれば、話は変わってくる。1万円でも10万円でも、場合によっては100万円にもなるかもしれない。
例えば、最高のポテトチップスを作るためのじゃがいも畑を売るのはどうだろう。その畑を買えば、永遠に最高のポテトチップスが作られ続ける。
バラ売りにするのではなく、サブスクにしてもいい。これなら月1万円は取れるのではないだろうか。
このように”可能な限り高く売る”という考え方が、富裕層マーケティングでは重要になる。