『苦しかったときの話をしようか』森岡毅

森岡毅の『苦しかったときの話をしようか』を読んでみた。

本書は日本最高レベルのマーケター・森岡毅が、就職活動をしている実の娘に対して書いた手紙をほぼそのまま書籍にしたものだ。

本書では「己の特徴の理解」「それを磨く努力」「環境の選択」の3つの重要性が解説されている。自分の強みと弱みを理解し、強みを磨き続ける努力を続け、可能な限りコンフォートゾーンから抜け出す。これが現代社会を生き抜く術なのだと著者は述べる。

しかし、自分を変えるのは簡単なことではない。重要なことは、自分が変わるまでに時間がかかることを理解することである。意識を変えることはそんなに難しくないが、行動を変えるのは非常に難しい。脳が安全地帯(コンフォートゾーン)から抜け出すことを恐れているからだ。でも、時間をかければ少しずつではあるがコンフォートゾーンから抜け出すことができる。

そして当たり前の話だが、最終的には好きなことを仕事にすべきだ。なぜなら好きなことは、永遠に努力し続けられるからである。

もちろん、最初は嫌なことも受け入れなければならない。将来的に自分の強みに活きる領域は、若いうちに経験を積むといい。

結局のところ、本書のテーマは「自分をマーケティングしろ!」ということなのだと思う。自分を徹底的に分析し、どのようなアクションを取れば成果が得られるか。これはマーケティングそのものである。