二〇二四年 立秋(2024-0807)

長崎

どう考えでも嘘である。まさか立秋が「秋」の始まりだなんて。こんな暑い日が続く日本が、秋だとは思えない。

今、僕は長崎の有名な中華料理屋「老李」で皿うどんを待っている真っ最中である。やっと涼める。

このたび、教え子のインターハイのために長崎に来ているが、その試合も終わったので、残りの滞在時間を観光と仕事に費やしている。

長崎は原爆の投下地であったことや、キリスト教、文明開花などの歴史がある立派な観光地だ。また、展望台からの景観も素晴らしく、特に夜景に関しては、世界三大夜景に数えられているほどである。実際、夜景は美しい。ただ、男1人だと少し悲しい気持ちになる。

また、長崎から五島列島にアクセスできることを考えると、自然も十分に満喫できる。

横浜や神戸に比べてコンパクトで移動が楽な上、五島列島、佐世保、はたまた福岡などのトリップも可能だ。

そう考えると、長崎は間違いなく日本有数の観光地だが、少し歴史を深掘りすると、長崎が日本有数の軍需都市である点も見逃せない。

モーレゴード

卓球界の8月上旬のホットトピックと言えば、パリオリンピックだ。世界卓球のファンである僕からすれば、申し訳ないが、教え子のインターハイと同等レベルの興奮をパリオリンピックから感じている。

今大会の目玉はスウェーデンのモーレゴード選手で、第1シードの中国選手を撃破したあと、そのまま銀メダルまで駆け上がった。決勝が中国同士にならなかったのはアテネオリンピック以来、中国選手が海外選手に負けたのもアテネオリンピック以来、そしてスウェーデン選手と中国選手が決勝でぶつかったのもシドニーオリンピック以来だ。

モーレゴードは、明らかにワルドナー選手の影響を受けており、現代卓球では一般的な両ハンドドライブ型とは、大きく違う卓球をやる。

  • チキータではなくストップ・ツッツキ中心(だが本大会では勝負所のチキータが光った』
  • バックハンドはドライブをかけないミート打法が多い
  • 勝負所は回り込む
  • 右利きの男子選手には珍しい巻き込みサービス多めの戦術
  • トリッキーなプレー

僕はモーレゴードのプレーを全体的に見ていて、やはりワルドナーに近い雰囲気を感じた。とにかく勝負所の集中力が凄まじいのである。だからビッグゲームで信じられないパフォーマンスが発揮される。

本記事を書いている深夜、団体戦準決勝で日本とスウェーデンが当たるのだが、日本は苦しい戦いになるだろう。

耳と目を閉じる

とにかく時間がない。全く足りない。

ここ最近、インターハイの参加を含め、多くの人に会い、トークを楽しんだ。その中で得られるものも大きく、明るい未来も見えた。

それに加えて、長崎にあるいろいろなものを見たり聞いたり食べたりした。中々に楽しい旅だったと思う。

僕にとって、人と会うことや旅することは、散漫モードで、このときにアイデアが生まれることはあるが、何かを形にしたり、自分なりに考えたりすることができなくなる。つまり、集中モードに入れなくなる。

僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた。

当分、人の誘いには乗らないかもしれない。