旧暦二〇二三年十月一五日(2023-1127)

小倉唯

2023年11月23日、小倉唯のライブに参加した。

僕はアイドルとかの偶像崇拝的なやつは、これまで全く興味がなくて、声優でも例外ではなかった。まあたしかに「かわいいなぁ」と思うことはあるけれども、崇拝まではいかなかった。現代の”オタク”の定義は「キャラクターやアニメをどれだけ好きになれるか」みたいなものになっているけれど、本来の”おたく”や”ギーク”と呼ばれていたものは「徹底的に深掘りすること」だったはずである。だから僕にとってアニメは、アイドルやVtuberとは同じ部類に当てはまらず、それよりも”本”とか”映画”とか”音楽”と同じ部類なのだ。つまるところ、キャラクターを楽しむのではなく、世界観やストーリーを楽しむ。世界観やストーリーをもっと理解するために、あらゆる知識を手にいれる。これが本来の”おたく”だと僕は考えていて、だから、強烈な”推し”になれるはずもなかった。

しかし、僕は現在、小倉唯にハマってしまっている。小倉唯……というか唯ちゃんと言えば、おそらくこの世に存在する声優の中で最も”アイドル声優”にふさわしい声優だ。まさに”歌って踊れる声優”の超典型例である。そしてアイドルである以前に、唯ちゃんは”アーティスト”のような雰囲気も感じさせる。一応言っておくが、ここで取り上げる”アーティスト”とは”歌手”とか”パフォーマー”のことではない。「art(芸術)」に「-ist」を加えた”芸術家・クリエイター”としてのアーティストである。実際、唯ちゃんのダンスや楽曲の歌詞は、たしかに唯ちゃんにしかできない創造性が感じられる。最近は、偶像崇拝を皮肉るような歌詞の楽曲が増えていて、『推しの子』という作品もそうなのだけれど、なんだかより複雑な世界になったなぁと思う。アイドル声優が”偶像崇拝”を皮肉り、でも偶像を崇拝するファンによってビジネスが成り立つという矛盾の連続。このカオスな世界観に、僕はハマってしまったのかもしれない。

んで。ここまで偶像崇拝にのめり込むとは思っても見なかったので、せっかくだから偶像崇拝について徹底的に深掘りしてやろうかなと思っている。ハマりそうなアーティストがいれば積極的にライブに参加し、それと同時に”偶像崇拝”に関する書籍を読んだり、実際に聖地に訪れたりする。

偶像崇拝についての理解を深めることは、非常に重要だ。なぜなら、人々が仕事をする必要がなくなり、莫大な時間が余ることになるだろう近未来では、おそらく多くの人がバーチャルな偶像(アニメキャラ、声優、Vtuber)や宗教やオンラインサロンやマルチ商法にハマることになるだろうと思うからだ。いや、近未来というか、もう現在、既にそうなっているのかもしれない。だから、近いうちに「偶像崇拝」をテーマにしたKindleを書こうと思う。

ということで「偶像崇拝について理解を深める」ということを言い訳にでもして、引き続き唯ちゃんの推し活動を進めていこうと思う。……来年秋の全国ツアー、全通してやろうか。

ここ最近は、”自己投資”がブームで、さまざまな物事に対して「これは7年後の自分に繋がるのかどうか」を基準に判断するようになってしまった。例えば何かモノを買うときとか、仕事の取捨選択とか、どこに遊ぶのかとか。ありとあらゆることで”自己投資”を考えるようになっている。

一方で「はたしてこれは自己投資なのか?」というようなことにも手を出していて、そのうちの1つが爪である。

よくよく考えてみると、僕の仕事や遊びには”指”が必要不可欠だ。こうしてキーボードを打つときにも指が絶対に必要だし、卓球をするのにも指が必要だし、料理も筋トレも遊びも、基本的には指が必要なのである。スマホが普及している現代において、指は必要不可欠な身体のパーツで、その指の最先端にある爪をちゃんと整えておくことは、実はそれなりに意義のあることなんじゃないかと迷走するようになったのだ。

現在、僕は”生活に全く困らないほどの軽度な深爪”だ。深爪ってほどの深爪じゃないから見た目も普通だし、別に何も困っていない。けど、基本的に”予防医療”というのは、困っていないときから取り組んでおくことが鉄則である。多分、爪も例外ではない。……多分。

ということで、僕は軽度の深爪を治すために、爪を伸ばすことにした。短期的には周囲から「不潔」と思われることになるのだろうが、そんなことは関係ない。また、爪に負担をかけないために、爪切りの使用を基本的に禁じた。全部、爪やすり。

はたして爪に対する投資が身を結ぶことがあるのか。続報をお待ちいただければと思う。

iPhoneの必要性

iPad Pro12.9を常用してから、僕にとってのiPhoneの必要性がかなり低下している。現在、僕がやむを得ずiPhoneを利用しているのは「決済」と「シェアサイクルの利用」と「スマートキーの開錠」と「マップ」ぐらいである。つまるところ、iPhoneを家や仕事場で利用する必要性を全く感じていないのだ。そして決済もシェアサイクルの利用もスマートキーの解錠も、本来であればiPhoneである必要も全くなく、非接触ICが搭載された指輪とかカードで十分なのである。

iPhoneの最大の強みは、高性能コンピュータ&カメラがポケットに収まる点にある。いつでもどこでも仕事&遊びができるのがiPhoneの魅力だ。一方で、別にiPadやMacBookが利用できる環境であるなら、わざわざiPhoneを使用する必要はない。

ここ最近の僕は、家やオフィスでの仕事や遊びは全てiPad、MacBook、Kindle Paperwhiteで完結している。最近まで作業中の音楽だけはiPhoneをAirPods Proを利用していたのだけれど、AirPods Proにノイズが走るようになったので、MacBookに有線のヘッドホンを繋いで仕事してみたところ、案外良かったので、作業中の音楽すらiPhoneである必要も無くなった。

世の中的には「PC→スマホ」になってきていて、実際、しょっちゅう移動する人であればこれは間違い無いのだが、家とオフィスを往復するだけだったら、もしかしたらスマホは必要ないのかもしれない。一方的に時間を奪う構造になっているスマホよりは、生産的なことに導いてくれるPCを使っていた方が、まだマシなのかも。