旧暦二〇二三年七月一日(2023-0816)

今日は新月を迎える日。Moon Reportの日である。

アニメ映画鑑賞

8月初めは、アニメ映画鑑賞に集中した。具体的には、以下の作品を視聴した。

  • 古の王子と3つの花
  • 五等分の花嫁∽
  • 君たちはどう生きるか
  • 響け!ユーフォニアム
  • サマーウォーズ

アートアニメーションから大衆向けアニメまで、実に様々なアニメ映画を楽しんだが、その中でも印象的だったのは『君たちはどう生きるか』だ。賛否両論ある作品だが、結局のところ、賛成派と否定派の決定的な違いは「理解しようとするかしないか」という姿勢の違いであると僕は感じる。否定派の大多数は「わからない」と一蹴する。皮肉なことに、非常に現代的だ。

ちなみに僕は大大大絶賛派で、改めて吉野源三郎の原作小説を一瞬で読んでしまったぐらいだ。面白いアニメ作品を作る監督は世の中にたくさんいるが、アニメで世界を変えようとしているのは宮崎駿だけな気がする。『君たちはどう生きるか』からは、素晴らしいエネルギーを頂いた。

お引っ越し

8月6日、念願のお引っ越しの日を迎える。お引っ越しと言っても、僕の場合、機内持ち込みできるバックパックと、これまた機内持ち込みできるスーツケースに入る分だけの荷物に制限しているため、普通に電車で引っ越しできる。身軽であることの重要性を再認識した。

ちなみに、今回の引っ越しの際は卓球の道具を持ち込んでいるため、かなり嵩張ってしまった。もし卓球の道具を持ち込まなくてもいいなら、僕はもっと荷物の量を減らしていけるだろう。目標は、機内持ち込みできるバックパックに、服・仕事道具・調理器具などを全て収めることだ。

さて、僕の引っ越し先は黄金町だ。僕がコーチを務めている横浜商業高校から近く、かつ、みなとみらいエリアに歩いていけるのが強みである。

携帯はシェアリングアパートと呼ばれるもので、シェアハウスではあるものの、完全個室で、かつシェアメンバーとの交流がほとんどない。寮みたいなものだと思う。

賃料は月59,000円。これを安いと見るか高いと見るかは人それぞれだが、僕は、相応のコストだと感じている。

このシェアリングアパートの欠点は、共用部が汚いことだ。特にシャワーエリアが最悪だった。

本来であれば週に1回のペースで清掃が入るのだが、これはあくまでも補助的なもので、基本的には住民が掃除しなければならない。そして案の定、住民が掃除することはなく、シャワースペースが汚れていたのだ。

そこで、まず僕は引っ越してから早々にお掃除を決行した。もちろん、ボランティアである。

こうして考えると、僕は思ったよりも潔癖寄りだったんだなぁと感じる。それなりにタフであるつもりだったけど、僕の実家の部屋を振り返ってみると、たしかに小綺麗だった。

とはいえ、やはり「住めば都」なのか、今となっては共用部も「使えるぐらい」には綺麗になった。個室は、当初はゴキブリが出るほどだったけれど、ちょろっと掃除機をかけて、コンバットをおくだけですぐにゴキブリは消えた。

そして何よりも、仕事のモチベーションが上がった。実家にいるよりもサバイバル精神が強くなっているため「仕事しないとヤバい!」という気持ちになっているのだ。

その中で決めたのが、2週間に1回のペースで作品を出すというもの(もちろん仕事とは別)。そしてその2週間というのは、月の周期で考えるようにしている。次に満月が来るのは8月30日なので、週末の9月1日にKindle(別名義で)を出版する予定だ。それで昨日は1万2000文字執筆しまして、この調子であれば5日間ぐらいあればKindleを1冊出版できそうなのである。

金沢

僕にお盆休みは存在しないのだが、学生時代の友人がお盆休みなので、遊ぶとなると必然的にお盆休みになる。

今年の夏は白川郷と金沢に赴いた。

大学生の頃は毎日のように会っていた友人たちも、今となっては年に数回会う程度である。去年の夏は長野に集合、今年のGWは群馬に集合し、7月は京都の祇園祭で。そして今回は世界遺産・白川郷での集合だ。年々、集合場所がとんでもないことになっている。

さて、僕が非常に楽しみにしていたのは金沢の鈴木大拙館だ。鈴木大拙は、日本の禅文化を世界に知らしめた学者で、スティーブ・ジョブズも鈴木大拙のファンであったことが知られている。鈴木大拙が提唱する”わび・さび”や”いき”は、まさに日本が誇る美意識であり、スティーブ・ジョブズは美意識をApple製品に組み込んだ。当然のことながら、iPhoneはその典型例である。

僕たち日本人のポテンシャルは、鈴木大拙館にあると感じる。日本特有の美意識を理解することは、クリエイターにとって必要不可欠なことだろう。

鈴木大拙館に一緒に訪れた僕の友人は「ぽかーん」としていたが、いつか、この芸術感覚を共有できればいいなと思う。

ポケモン

金沢から横浜に戻り、友人と一緒にコミケに参加した後、僕はみなとみらいに赴いた。

今年のみなとみらいはポケモンの世界大会の開催地であり、例年開催されているビッグイベントからさらに規模が大きくなっている。

みなとみらいで開催されるイベントの特徴として、都市ジャックが挙げられる。今回のポケモンのイベントも、街のあらゆるところにポケモン関連の展示物が設置されていた。観光客が写真を撮ることを踏まえた設計になっているのも、良い意味で世界基準だった。

そのうえ、パレードやライブの参加が基本無料なのもすごい。これはファミリー層をしっかり囲い込むための立派なプロモーション戦略で、コンテンツで稼ぎまくったポケモンによる”ファンへの還元”と捉えて良いだろう。

僕自身は、最終日に鑑賞したドローンイベントが印象的だった。ドローンを使ってポケモンを夜空に映し出すイベントだ。以前よりドローンの可能性に注目してきたが、なんだかんだでドローンイベントを見るのは初めてだ。正直、花火より感動した。ドローンの方がキャラクターを正確に描写できるし、表現の幅が広い。ドローンがより小型化し、同時操縦台数も増えれば、もっととんでもないショーを実施できるようになるだろう。

そしてこのドローンショーが”バーチャルをリアルに持ち込んでいる”ということに注目した方がいい。現在、僕たちの世界で起ころうとしているイノベーションは、”現実世界のバーチャル化”である。これを読み間違えると、後々痛い目を見ると思う。ディスプレイの中やバーチャル世界でイノベーションが起こることは、ほとんどないだろう。メタバースを構築すると言っても、触覚や味覚などの感覚系に干渉するには、肉体そのもののバーチャル化が必要なのである。

現在注目されている領域であるドローン、EV及び自動運転、宇宙開発、ゲノム編集は、すべて現実世界のバーチャル化に帰属する。残念ながら日本はドローン、EV、宇宙開発では明らかに遅れを取っていて、ゲノム編集に関しては日本人の活躍が目覚ましい一方で、国の意思決定速度が遅いために、ビジネス面では確実に遅れを取ると思われる。

明らかに日本のポテンシャルが大きいのは、観光だ。だから大学生が就職するんだったら、観光(特にまちづくり)関連の企業がいいと思うのだが、残念なことに、今頃になってIT企業(しかもSIer系)が大人気のようである。……20年遅れてるよ!